物理のまとめ

 物理では近似という考え方が必要になります。何でも実際にやってみれば結果はわかりますが、やらなくても結果がわかったらすごいですよね。現実に起こったことを注意深く観察し、規則性を発見し、そこから数学を用いて何らかの物理法則を導き出すのが物理なのですが、正確に結果を導く物理法則と同じくらい、近似により得られた見通しのいい法則も重宝されます。現実をいかに単純化して表せるか、僕はこれを考えるのが楽しくてわくわくします。

 単純化する上で個人的に大事にしていることは、極限を考えることと、分解して数を減らして考えることです。極限を考える例としては、例えば斜面に置いた物体の重力による運動を考えると、急な極限では斜面は垂直な壁となり物体は自由落下をし、平坦な極限では斜面は水平な床となり物体は動きません。このように極端な場合を考えることで、間の状態を想像しやすくなり、理解しやすくなります。分解して数を減らして考えるのは、全部一気に考えると混乱しやすいから、ひとつひとつの要素に分けて考えた方が理解しやすいという意味です。

 内容としては、ミクロな(小さな)世界を記述する量子力学と、マクロな(大きな)世界を記述する相対性理論の二本柱を基礎としていますが、量子力学の結論を統計力学を用いてもっと大きなスケールで使えるようにしたり、逆に相対性理論の結果をニュートン力学のレベルで近似して扱いやすくしたりすることもあります。



自作した物理の教科書です。もし参考になれば幸いです。

物理の記事のまとめです。

前に個人的に理科を教えた時に作った教材と、そこから難しそうな話を減らしたまとめ

Fradkinによる物性物理学の講義ノートのまとめ