行列力学について8枚のスライドでまとめてみたら
量子力学は、物理量を行列表示で扱う行列力学と、状態関数を微分方程式から求める波動力学があります。とりあえず、ここでは行列力学について話します。
ハミルトニアンHの固有値・固有ベクトルの求め方について話します。ざっくり話すと、a†をHの右から左に移す度にエネルギー固有値Enが求まり、aを作用して0になるベクトルにa†をn回作用すると固有ベクトル|n>が求まります。
調和振動子では、pとxがどちらも2乗で、対称的で扱いやすいです。具体的には、エネルギーが同じエネルギー幅で増えていきます。エネルギー幅が常に同じということは、|n>は同じエネルギーの粒子がn個ある状態に対応させることができます。
先ほどの、a†とaを生成・消滅演算子と言います。a†が状態に作用すると粒子が一個増えた状態に写り、逆にaが作用すると一個減った状態に写ると考えられるためです。具体的には、光などの粒子を増減させることに対応します。
角運動量については、今回も二乗の和で書けていますが、先ほどと違い角運動量の2乗の固有値が変わりません。代わりに、角運動量のz成分の固有値が変わります。これは、回転の大きさは変わらないけれど、回転の向きは変わるということに対応しています。
水素原子の角度部分の話が終わったので、動径部分についても解いてみました。ただし、a†とaは全て違うものになります。解くと、係数を除いて、エネルギーが自然数の2乗の逆数にマイナスをつけたものになります。
角運動量は合成することもできます。
試しに2つの電子のスピン(自転のようなもの)を合成してみました。スピンの向きが揃っている状態が3つ、スピンが逆向きの状態が1つ現れます。
生成・消滅演算子は、粒子が多くなってくると重宝します。私は、粒子数を増やしたり減らしたり、といったことを考えられるようになって、急に世界が広がったような気がしました。
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