ブラックホール解の計算

 ブラックホールの解は色々と計算が大変なので、ここに途中の式をまとめておきます。

 シュバルツシルト解は球対称なブラックホールの解ですが、行列表示の接続を求めれば割とすんなり導くことができます。

 回転するブラックホールの解であるカー解は、導くのが大変そうに感じたので、とりあえずそれが解であることを認めて、色々な極限をとって性質を調べてみました。ブラックホールの半径は、ブラックホールの特異点がリング状になっているために、リングの中心から見るとθ=π/2の半径がθ=0の半径より膨らんでいますが、この膨らみを無視してブラックホールの半径は通常θ=0のことを言います。

 さすがに鵜呑みにするのは気持ち悪いので、カー解を導くことができなくても、せめて解であることを確かめたいと思い、とりあえず計量とその微分をまとめてみました。x0=t,x1=r,x2=θ,x3=φのように番号を振っています。rとθの微分が残ります。

 計量が対角的でないのが面倒なので、接続の上付きの添え字を下げたものをとりあえず求めています。

 計量を使って添え字を上げれば、接続を得ることができます。

 ここから曲率を求めようとして接続を微分してみたら、あまりの煩雑さに挫折したので、既に曲率を求めた人の結果を拝借しました。ただし、自分で求めていないため、合っているか確信がないので、回転が弱いとしてO(a)、つまりaの一次の範囲で結果が合っているのか検証することにしました。

 カー解の計量、四脚場、接続などをO(a)までで近似して書き直しました。

 接続の微分は、O(a)ならまだ手に負える計算量でした。

 実際にO(a)の範囲で求めてみたところ、先ほどの結果と矛盾しなかったので、一応信じることにしました。


 簡単にカー解の曲率を求められれば良かったのですが、思った以上にまとまらず、断念してしまいました。座標変換をすればもっと計算が楽になりそうな気がするのですが、そうすると何が何だか分からなくなりそうなので、今のところこのくらいで満足したいと思います。

ポップラーン

数学や物理の「8枚のスライドでまとめてみたら」シリーズを更新しています。少しでも学ぶことの楽しさを伝えられたらと思います。上の方に記事のまとめがあります。

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