座標

 何かの位置を表す時は、どこかに原点を決めて、そこから見てどの位置にいるかを言う必要があります。それには、横の方向(x)と縦の方向(y)にそれぞれどのくらい離れているかを言う方法や、中心からの距離(r)とどの角度(θ)にいるかを言う方法などがあります。それぞれ直交座標と極座標と呼びます。極座標ではrをθで一周回した時に、rのマイナスの部分が消えていることに注意してください。「後ろにいる」ことを「r(中心からの距離)がマイナス(後ろ)の位置にいます」と言うよりも「θ(向き)がπ(180°の角度、つまり後ろ)です」と言う方が自然だからです。半径1の円では横がcosθ、縦がsinθなので、半径rの円では両方r倍して、横がx=rcosθ、縦がy=rsinθとなり、これが直交座標と極座標を繋ぐ式となります。難しいことを言いましたが、結局、位置を言いたい時には、「横(x)にこのくらい、縦(y)にこのくらい行ったところですよ」という言い方と、「あっちの方角(θ)にこのくらい(r)行ったところですよ」という言い方があることを数式にしただけです。

 早速、極座標を使って積分をしましょう。とりあえず半径rの円の円周を求めたいのですが、普通の積分と違ってθは角度であって長さでないので、積分はrdθを積み重ねていく必要があります。というのも、θはrを回す角度なので、長さにするためにはdθにrを掛ける必要があります。よって、rdθを0から2πまで積分すると、θが2π増えるだけなので円周は2πrとなります。逆に、円周が2πrとなるようにθが一周する角度(360°)を2π(円周率3.14…の2倍)としたのです。では、円の面積を求めましょう。次は、θで積分した後、drを掛けて0からrまで積み重ねていきます。面積2πrdrの長方形を0からrまで積み重ねていくとrの2乗のπ倍になります。何をしたのかというと、円の面積は横がr、縦が2πrの直角三角形の面積と同じだと言えて、それを計算したという話になっています。



 今回は極座標を使って円の面積を求めました。直交座標(xとy)だけでなく、極座標(rとθ)も使えるようになると、今回のように計算の幅が広がります。私は極座標を使えるようになって、回転運動などを記述できるようになったので、やっと物理が始まったな、とわくわくしました。

ポップラーン

数学や物理の「8枚のスライドでまとめてみたら」シリーズを更新しています。少しでも学ぶことの楽しさを伝えられたらと思います。上の方に記事のまとめがあります。

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