多元数について8枚のスライドでまとめてみたら

 2乗してー1になる数を虚数単位と言いますが、虚数単位を何個か用意すると、色々と面白い数を作ることができます。今回は、多元数について話したいと思います。


 虚数単位を1つ用意すると、複素数という2次元の数を作れます。

 複素数で、二次元の回転を表すことができます。


 虚数単位をもう1つ用意すると、結果的に3つの虚数単位と実数の組み合わせで4次元の数、四元数を作ることができます。四元数の積から、ドット積とクロス積を自然に定義できます。

 四元数を用いて、三次元の回転を表すことができます。この時、指数の肩に1/2が掛かっていることが、電子のスピン量子数が1/2であることに関わっています。


 微分の概念を拡張して、積の微分法則が成り立つような微分代数(derivation)を考えることができます。微分代数の条件を狭めれば、普通の微分を再現できます。

 虚数単位をもう1つ用意すると、八元数を作ることができます。


 八元数の計算は大変ですが、ファノ平面を使うと見通し良く計算できます。ただ、八元数は非結合代数なので、かなり扱いにくいです。

 例外型ジョルダン代数は27次元の数なので、八元数よりも更に扱いが大変です。アルバート代数と呼ばれることもあるそうです。



 複素数と四元数に慣れておくと、色々と便利です。特に、2次元の回転と3次元の回転を記述できる点は素晴らしいです。私は多元数について学んで、これが数学か、としみじみ思いました。

ポップラーン

数学や物理の「8枚のスライドでまとめてみたら」シリーズを更新しています。少しでも学ぶことの楽しさを伝えられたらと思います。上の方に記事のまとめがあります。

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