離散群について8枚のスライドでまとめてみたら

 普通に計算できる対象として、群というものがあります。群には、元の数を数えられる離散群と、リー群と呼ばれる連続群があります。今回は離散群について話しますが、その中でも元の数が有限な、有限群を中心に説明します。


 群の公理とは、普通に計算するために必要な規則を集めたものです。結合法則を満たさないと非常に扱いづらいので、基本的には何か割り算ができる対象を考えたものが群だと思えばいいです。割り算をするためには単位元1と逆元が必要です。

 巡回群は1つの生成元からできる群で、その名の通り巡回している感じが見てとれます。


 群の直積は群になります。単純群を組み合わせて、様々な群を作ることができます。交換子は2つの元が関係あるかどうかを表す指標で、交換子が1だと2つの元は順序によらず、関係ないと言えます。

 正二十面体の見た目が変わらないような回転のさせ方は60種類あり、この回転のさせ方は群になります。正二十面体の頂点を削ると、サッカーボールの形になるので、スライドにはそれを歪めたような図を描いています。


 群の元を共役類に分けることで、見やすく分類することができます。

 群は行列で表現できますが、この行列もブロック対角化して既約表現に分けることで、見やすくなります。


 既約表現のトレースを指標と言い、その指標をまとめたものを指標表と言います。群の情報を扱いやすい形にまとめたものだと思えばよいでしょう。

 三角形のタイル張りに関する群を、三角群と言います。実は正六面体と正八面体、正十二面体と正二十面体はそれぞれ同じ対称性(2,3,4),(2,3,5)を持っています。また、(2,3,∞)はモジュラー群と呼ばれ、成分が整数で行列式が1である2次の行列の、全体の符号を無視した群と同じになります。


 計算する前に、対称性に着目すれば計算量を減らすことができます。数学の醍醐味ですね。

ポップラーン

数学や物理の「8枚のスライドでまとめてみたら」シリーズを更新しています。少しでも学ぶことの楽しさを伝えられたらと思います。上の方に記事のまとめがあります。

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