居場所

 人は、自分を肯定してくれる居場所がないと生きていけません。また、居場所があっても、居心地が悪いと生きていくのがつらくなります。今回は、この居場所について考えます。



  ここでは、自分を肯定してくれる場所を居場所と定義します。当然、居場所がないと自分の存在できる場所がない訳ですから、生きていくことはできません。そして、居場所が少ないほどそこに必死でしがみつく必要があるので、依存度が高くなります。逆に、居場所が多いほど居場所を失う恐怖が減るので、精神的に安定します。よって、自分の安定した居場所をいくつか持っておくことは、安心して暮らしていくためにとても重要です。


  ただし、居場所は数増やせばいいというものではなく、居心地のよさも重要です。この居心地の良さは、居場所に存在する条件に左右されます。居場所に条件が存在すると、条件を満たす人ほど優遇され、条件を満たさない人ほど冷遇されることになるからです。もしこの格差が生じてしまうと、上下関係が生まれ、下の人間は所在なさを感じ、上の人間も共感能力があるほど、それに同情して悲しい思いをします。つまり、みんなが悲しい思いをすることになるので、基本的に上下関係があっていいことはありません。この上下関係をなくし、対等な人間関係を築くためには、条件を満たさない人をそもそも所属させないか、一般的な家族のように条件をなくして全てを受け入れる必要があります。条件を満たさないからといって集団から追い出すのは酷に思えるかもしれませんが、そのせいで後で上下関係ができて悲しい思いをするくらいなら、心を鬼にして追い出した方がお互いのためかもしれません。もちろん、追い出した人は居場所が見つかるかわからないので、余力があれば、自分に無理のない範囲でその人の活躍できる居場所探しを協力してあげられるといいかもしれません。協力するかどうかは、追い出すつらさと、協力する大変さを比べて決めるといいかもしれませんね。



  今回は居場所について考えてみました。居場所はあればいいというものではなく、居心地も大事なので、焦らずにじっくりと育てていきたいですね。

ポップラーン

数学や物理の「8枚のスライドでまとめてみたら」シリーズを更新しています。少しでも学ぶことの楽しさを伝えられたらと思います。上の方に記事のまとめがあります。

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