悪魔の証明

 存在しないことの証明はとても難しいため悪魔の証明と呼ばれます。今回は、日常生活における悪魔の証明について考えてみます。

 まず、悪魔の証明の説明をしたいと思います。例えば、この世に悪魔がいることを証明するとしましょう。実際に悪魔がいれば、それを見つけるだけで証明することができますよね。ただ、悪魔がいないことを証明する場合、悪魔がいるかもしれないという全ての可能性を否定する必要があり、これは事実上不可能に近いです。これを証明するのはあまりにも難しいため、悪魔の証明と呼ばれます。

 よって、存在するという証明ができない限り、とりあえず存在しないものとして扱うのが賢い選択と言えます。この話を日常生活に応用してみましょう。
 例えば、何かが上手くいかなかった時、解決の可能性を思いつく限りあげてみて、全部試して上手くいかなかったとしましょう。この時は、とりあえず今のところ解決策はないと考えるのが賢い選択だと言えます。
 もちろん、後に新しい情報が入り、解決策を思いつく可能性はあります。ただ、特に新しい情報もないのに悪魔の証明に悩み続け、「できないのは努力が足らないからだ」なんて思って時間を浪費すると、解決策を思いつく可能性が極めて低い上に、悩むのをやめたら浪費した時間が無駄だと認めることになるので、それが嫌でずっと悩み続けてしまうことが多いです。更に、「努力が足りない」と自分や他人を責めるのは精神衛生上よくありません。

 悪魔の証明に出会った時は、「今のところない」と割り切るだけでとても生きやすくなります。上手くいかない時に無理することも時には必要かもしれませんが、基本的には無理せず自然体で生きていきたいな、と個人的に思いました。


ポップラーン

数学や物理の「8枚のスライドでまとめてみたら」シリーズを更新しています。少しでも学ぶことの楽しさを伝えられたらと思います。上の方に記事のまとめがあります。

0コメント

  • 1000 / 1000