最小公倍数と最大公約数

 最小公倍数や最大公約数が難しいという声を聞いたので、解説したいと思います。


 最小公倍数は、最小と言う割にかなり大きい数になるのですが、間違えて最大公倍数なんてものを考えると答えは無限大になってしまいます。公倍数は共通の倍数のことで、基本的に大きい数なので、逆に最小とつけないと値が定まらないという訳です。
 最大公約数は、最大と言う割に小さな数になるのですが、間違えて最小公約数なんてものを考えると答えは1になってしまいます。公約数は共通の約数、つまり割れる数という意味です。

 例えば、60と18について考えると、

60=2×2×3×5
18=2×3×3

と、素数の積に分解できます。素数は、それ以上小さい数の積に分解できない数のことを言います。ここで、素数は2と3と5だけが登場していて、2は最大で60の方に2回掛かっていて、3は最大で18の方に2回掛かっていて、5は最大で60の方に1回掛かっています。最小公倍数はこれを全部掛ければ良いので、

2×2×3×3×5=180

となります。具体的に、60に3を、18に2と5を掛ければ確かにこの数になります。逆に、2は最小で18の方に1回掛かっていて、3は最小で60の方に1回掛かっています。最大公約数はこれを全部掛ければ良いので、

2×3=6

となります。確かに、どちらの数にも2×3が含まれています。

 最大公約数や最小公倍数に慣れると分数の計算が楽になるという話かもしれませんが、素因数分解、つまり素数の積に分解できる方が色んな計算に強くなると思います。また、素数は面白い性質があるので、色々楽しめてお得です。

ポップラーン

数学や物理の「8枚のスライドでまとめてみたら」シリーズを更新しています。少しでも学ぶことの楽しさを伝えられたらと思います。上の方に記事のまとめがあります。

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