対人関係

 今回も学問的ではありませんが、対人関係について、非常にボヤっとしていますが、僕にとって当たり前と思えることをまとめてみました。あまり詳しくはありませんが、日本国憲法とアドラー心理学には、どちらも個人を大切にするようなものを感じ、それは僕の人生観とも合っていたので、それらを何となく参考にしています。


  まず、対人関係について考える前に、個人について考えておく必要があります。とりあえず、個人には個性と目的があります。

  個性は、ここでは人によってバランスの良い環境が違っても良いことを個性と呼んでいます。例えば、衣食住だけを考えても、人によって着る服のサイズもデザインも違ってよいし、食事の量も何を食べるかも回数も違ってよいし、家の広さもデザインも数も違ってよい訳です。趣味も仕事も違ってよいし、友達も選んで良い訳です。 

 そして、各々がそのバランスの良い環境を目指したり、維持しようとしたり、そういう居場所に所属しようとしたりする目的を持っています。ただ、ここで気を付ける必要があるのは、特定の何かではなく、その代わりのものを目的としてもいいということです。誰かと話したいとき、その相手が特定の誰かでなくても、別に気の合う人がいればその人と話しても良い訳です。この点に注意し、視野を広げることで、各々が目的を達成しやすくなります。


  ということで、対人関係において、全ての個人の目的の達成率を、できるだけ高い状態にすることが目標となります。もちろん、自分の目的の達成を優先すべきです。ただ、あまりに各々が自分を優先しすぎると、一部の既に目的を達成している人間が必要以上の財産などを蓄え始めます。この格差ができると、貧しい思いをする人が大変なばかりか、財産などを持つ人たちも貧しそうな人たちに未来の自分をどうしても重ねてしまい、転落が怖くてもっと余分に財産を蓄えてしまいます。更に、そういう状況を想像することは、実際に体験することとほぼ同じような精神的影響があるので、財産などを持っていても常に不安におびえることになりやすいです。よって、余裕のある人が余裕のない人に援助したり、知識のある人がない人に目的の達成の仕方を助言したりするような仕組みを作ることで、多少の格差はあろうとも、財産などを持つ人も転落をあまり恐れずに生きていくことができます。よって、このような思いやりの意識をみんなが持つこと、また、そのような仕組みを作るための組織や規則が大切です。 


 よって、みんなが居心地のいい環境を獲得できるような組織やルールを作りたい訳ですが、この時に個人の尊重、権利の平等、意見の反映の3つの指針が必要だと考えます。

  個人の尊重は、各々の自由を尊重しつつ、各自が好き勝手やりすぎて一部の人間が虐げられることのないように調整するという意識のことをここでは言っています。調整しすぎて自由がなくなっては元も子もないので、基本的には自由を尊重します。ただ、その自由を感じることができないくらいの環境、例えばただ生きていくのも困る場合など、そういうことがあると困る訳です。つまり、自由を認めすぎても上手くいかないので、どの程度の自由を認めるのかはあらかじめ慎重に決めておく必要があります。とにかく、個人の尊重は重要で、何よりも優先するべきです。

  次に、権利の平等ですが、これは規則のもとで誰かが特別扱いされないということです。つまり、一度規則ができてしまったら、その規則を変えるまで皆が平等にその規則に従うべきだという考え方です。ただし、単純に規則を適用すると個人を尊重できていない結果になることも考えられます。この時、個人の尊重を優先することで、この規則を無効にすることができるように決めておきます。なぜなら、個人を尊重するために作った規則だから、規則を守るよりも個人を尊重する方が重要だからです。また、誰かが権利を独り占めすることのないように互いを監視することも重要だと思います。

  3つ目が意見の反映です。個人を尊重していると思える範囲で、皆の意見を反映するような規則を作ることをここでは言っています。つまり、皆の意見を聞きながらしっかりと議論した上で、多数決をとり、皆の意見を反映した規則を作るということです。数は力だから、ちゃんと議論し尽くしてそれでも迷ったら、最後は数で決めようという考え方、要するに民主主義ですね。ただ、ここで問題となるのは、議論の話題に応じて人の向き不向きがあるということです。向いてない人も全員議論に参加しても、向いてない人は話についていくのに大変だし、そのための説明に膨大な時間がかかってしまうし、議論もまとまりづらくなります。こういう時は、間接民主制というものが便利です。間接民主制は、皆でそういう話に向いている人を選んで投票し、選ばれた人の中で議論をし、多数決をとるということです。これにより、充分な議論が割と早くできますし、多数決する際のランダムに近い投票もなくなり、妥当な規則ができやすくなります。この際に重要なのが、この時できた規則に後から外の人間があれこれ口出ししないことです。一度投票で選ばれた人間に任せたので、個人を尊重していると思える範囲ではこの結果に口出しできないことにします。また、議論に参加する人間を選ぶ投票をしない自由はあります。その場合は、投票した人間の中だけで参加する人間を選ぶことになります。


 最後に、ここまで全ての人間は対等だという前提で話をしました。個人の尊重を重視しているためです。つまり、基本的に上下関係はない方がよく、自分でできることは自分でした方がいいと考えています。なので、人の言いなりになる原因を作るような、借金、罪悪感、知識の独占などは極力避けた方が社会が豊かになると思います。


  今回は対人関係について見てきました。大したことは言っていませんが、要するに互いを尊重して助け合い、差別することなく、分からないことは向いてる人に任せつつ、自分のために生きることが大事だと思うという話です。皆で適度な距離感を保ちつつ、楽しく暮らせたらいいですね。

ポップラーン

数学や物理の「8枚のスライドでまとめてみたら」シリーズを更新しています。少しでも学ぶことの楽しさを伝えられたらと思います。上の方に記事のまとめがあります。

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