内的家族
自分のしたいようにすればいいのに、複数の気持ちがぶつかって葛藤することがあります。これは、自分の心の中にいくつかの自我があって、家族のようになっていると思うと理解しやすいと思います。この考え方を、内的家族システムと言います。今回は、この家族を単純化して、C(Child、子ども)、A(Adult、大人)、P(Parent、親)の3つによって構成されていると考えて話をしてみます。
まず、C(子ども)、A(大人)、P(親)の説明をしておきます。Cは自己中心的で欲求に忠実、Aは冷静で論理的、Pはルールを大切にします。それぞれ向いている方向が、Cは自分、Pは相手、Aはどちらにもつかず客観的です。CとPはどちらも感情的で感覚的ですが、Cは「したい」、Pは「すべき」となるところが違います。Aはとにかく冷静なので、理性的な会話ができる反面、感情に乏しいです。
ここで、Cが自由にのびのびと過ごせていれば何の問題もないことに注意しましょう。不満は、Cのやりたいことや感情を抑え込むから爆発してしまう訳なので、Cの気持ちをしっかりと受け止めることが大事です。AとPが抑え込んでいる場合をそれぞれ見てみましょう。
●AがCを抑え込んでいる場合
感情を押さえつけているのかもしれません。Cを守るために理屈でどうにかならないか考える前に、一旦Cの感情に耳を傾けるのがいいと思います。Cが何を好きなのか、何を嫌いなのか、ちゃんと把握した上で合理的な判断を下せるといいですね。
●PがCを抑え込んでいる場合
Cの意見を無視して、勝手に良かれと思ってPの意見を押し付けているのかもしれません。周りに合わせるために過度な批判をすることや、Cのやりたいことを無視して過保護になりすぎていることがあるかもしれません。Cを守るために行き過ぎたことをして、かえってCの気持ちを無視してしまうことが問題なので、Cの気持ちを最大限尊重できるように適度な批判や心配をしてあげるといいですね。
今回は内的家族について簡単に見てきましたが、具体的にはもっと色んな例があると思います。例えば、Pの批判が行き過ぎている場合、つまり内なる批判家が強い場合ですが、この内なる批判家に気づかずに生活していると、他人と内なる批判家が重なって見えて、周りの目が気になってしまうことがあります。実際に批判されていなくても、「きっとみんな私のことをダメだと思っているに決まっている」と被害妄想をしてしまう訳です。なので、周りの環境が悪いと勘違いしている場合は、自分の心の中の各パーツと向き合って和解させることによって問題が解決するかもしれません。もちろん、単純に環境が悪い場合はさっさと環境を変えた方が良いですが、それでも自分の心と向き合うことは大切ですね。
0コメント