世界への好感度

 連合の原理という、近いものに感情価(好き嫌い)が移る考え方を元にすると、それが極端な状態では全体的に似たような感情が移り、世界の物事が全体的に好きな人や、逆に全体的に嫌いな人を考えることができます。今回は、全体的な物事への好感度を世界への好感度とし、これが高い場合や低い場合について話します。



 世界への好感度が高いということは、すなわち生活の質が高いということを意味しています。ご飯を食べても美味しい、人付き合いも好き、趣味や勉強も楽しいし、要するに何をしていても楽しいということになります。対象を好きになる(感情価がプラスに動く)ことは楽しいことですが、世界への好感度が高いので、連合の原理によってこの世界に存在するあらゆるものが好きになる訳ですから、何をしていても楽しいのはある意味当然と言えます。


 逆に、世界への好感度が低い場合は、何をしていてもツラく、この世に存在するありとあらゆるものが怖くなり、常に寂しい気持ちで過ごすことになります。これでは生きづらいですが、世界への好感度を高めるためには日常生活における不快感をとにかく減らす必要があります。美味しいものを食べ、よく寝て、良好な人間関係を築き、それで心に余裕が出てきてからやっと物事を楽しむ余裕がでてきます。焦っていきなり楽しく生きようとしても余計に寂しい気持ちになりやすいので、その前にまず安全の確保を優先して考える必要があります。


 自分の世界への好感度を上げることも、環境によってはかなり大変だと思いますが、周りの人の世界への好感度を上げることは、自分のことのように自由にできないのでもっと難しいと思います。ただし、周りの人の世界への好感度を上げた方が、周りの人に不快感をぶつけられることが減るので、より生きやすくなります。なので、当たり前かもしれませんが周りの人の世界への好感度を上げることによって人生はかなり生きやすくなります。具体的にどう周りの人の世界への好感度を上げるかというと、その人たちの安全を確保することが重要になってきます。相手は世界への好感度が低いため、連合の原理によってどんな言動も基本的には相手のマイナスに働いてしまいます。その人のために良かれと思って「もっと自分を大切にした方がいい」などと助言をしたり、自暴自棄になっているところを無理に止めたりすると、一歩間違えればその人は自己否定されたと思い込み、余計に寂しい思いをして自分の殻に閉じこもってしまうかもしれません。世界への好感度が上がるまでは黙って身の安全を確保し、相手を傷つけないことを確信してからの言動をなるだけ心がけて、世界への好感度が上がってきたのを感じてから素直な愛情表現や助言をした方が受け入れやすくなると思いますし、そのくらい話が通じる程度に世界への好感度が上がればその後はもっと世界への好感度が上がりやすくなると思います。



 今回は世界への好感度について話しました。世界を愛することは人生を生きやすくする上でとても重要です。みなさんもまずは自分を大切にして、余裕が出てきたら周りの人も大切にしてみると生きやすくなるかもしれません。もちろん、相性の悪い人とは距離をとることも大事ですが、その場合も下手に刺激して不快感を与えないように、余裕のある範囲で気をつけてみると生きやすいかもしれませんね。

ポップラーン

数学や物理の「8枚のスライドでまとめてみたら」シリーズを更新しています。少しでも学ぶことの楽しさを伝えられたらと思います。上の方に記事のまとめがあります。

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